こんにちは近藤です。前回の記事ですが、業者の暗部抜き行為の実態をわかっていただいたと思います。
今回は抜き行為に絡んだ応用編になりますので、まだの読まれてない方は先に抜き行為の記事をぜひ読んでください。
最近いろんな業界で使用されている、一括見積もりサイトを何かご利用されたことはありますでしょうか?
ホテル、車、引っ越などのジャンルごとのサイトもあれば、価格.comのような商品全般を扱っているサイトもあります。
そこで登場したのが不動産売却の一括見積もりサイトです。
車の売却の宣伝では、『高く売るには一括見積もりサイトを利用して複数の業者から見積もりを取ることが高く売る秘訣です』などとラジオなどでもよく耳にします。
しかしながら、これを不動産に当てはめてしまうと大きな落とし穴が待っています。
車の売却は業者の買取前提です。不動産の場合は仲介売却査定前提です。
私がオススメしない買取売却の場合でしたら、車同様に使うべきだと思います。
しかし仲介売却でこの一括見積もりサイトを使うと、どうなるでしょうか。
まず各業者が警戒するのが、他社の見積もり額です。大体の適性価格、売れる相場は業者もわかっています。
ただし他社が高い見積もりを出すのを警戒して、高めに査定せざるを得ません。
他社の査定が2000万、当社の本当の査定が1800万だとしても無理して2100万とか提示してくるでしょう。
なぜならお客を取りたいからなのです。この時に業者が2000万では売れないので1800万が適正価格ですと根拠を持ってお話ししても、まずは2000万で売り出すべきですという業者の言うことをひっくり返すのは私の経験でも現実には難しいです。
誰でも少しでも高く売りたいので高く査定する業者の言う方を信じてしまいます。
そうであれば売れるかどうかよりも、他社よりも高く査定せざるをえないのです。もう一度思い出していただきたいのですが、高く査定する業者と高く売る業者は違います。
いちど業者に頼むとその後の関係性ができるので、数ヶ月後になかなか他の業者に変えようとは思いません。
そうこうしているうちに、価格はどんどん下がっていくでしょう。
また複数の業者へ依頼する一般媒介契約というやり方もありますが、価格をまちまちに売り出すわけには行きませんので、高い査定に統一されています。
(一般媒介契約の複数業者に頼む不都合はそれ以外もありますので別途記載します。)
つまり一括見積もりサイトを利用すると、適性価格以上の査定書がでてきて、多くはその価格で売れずに長期化した挙句、下落していくのです。機会損失以外の何ものでもありません。最初から適正価格で出したほうが、成約に結びつきやすいのです。
また複数の業者からのひつこい営業電話攻勢に時間を取られ、時間を取られているにもかかわらずこのようになりますので、時間も無駄にしてしまいます。
一括見積もりサイトは業者も1件1万円から2万円程度の紹介料をサイト運営者に払います。対象地域で5社登録していればあなたの査定依頼によりまずサイト運営社が儲かります。
自社に依頼されないと全くの無駄な広告費になるので、自社に取り込むための査定、自社へ取り込むための見積額へと躍起になるのです。
メールや電話攻勢にもうんざりするでしょう。
見積もりサイトを使うぐらいなら、地元の売却専門業社へまずは相談することをおすすめします。営業マンが何かしっくりこなかい場合は複数相談するのもいいと思いますが、依頼は一番しっくりくるところ1社に依頼した方がいいと思っています。
読んでくれてありがとうございます。