同じ収益物件でも、不動産会社から提示される査定価格が異なることがあります。高い査定が正しく、低い査定が間違いだと、金額だけで決めることはできません。
仲介査定と直接買取では価格の意味が異なり、家賃、空室、修繕、販売期間などの前提も会社ごとに違う場合があります。比較するための確認順を整理します。

1. 仲介査定と直接買取を分ける
仲介査定は、市場で買主を探す場合の価格を検討するためのものです。査定価格や売出価格での成約を保証するものではありません。
直接買取は、不動産会社が買主として提示する条件です。再販売、修繕、保有中の費用やリスクなどを考慮するため、仲介査定とは価格の組み立てが異なります。
2. どの家賃を使ったか確認する
現在の入金額、契約賃料、募集賃料、満室想定賃料、改装後想定賃料は同じ数字ではありません。
査定で使った家賃と基準日を確認します。想定賃料を使う場合は、空室が埋まるまでの期間、工事、募集費用も確認します。
空室の扱いが査定へ影響する場合は、募集してから売る場合と空室のまま売る場合を分けて比較します。
3. 費用の範囲を確認する
管理、修繕、原状回復、募集、税、保険、共用部の費用など、収支から差し引く項目が違えば評価も変わります。
年間費用の一部だけを使っていないか、臨時修繕をどのように扱ったかを確認します。
4. 建物状態と修繕の見方を確認する
現在の不具合、今後の修繕、法令・設備、未対応工事などの見方が会社ごとに異なる場合があります。
見積りがある場合は、工事範囲と時点をそろえます。修繕費をすべて価格から引く、または修繕後に同額以上価格が上がるといった単純な前提を置きません。
5. 買主と販売期間の想定を確認する
個人投資家、法人、事業者など、想定する買主によって重視する条件が変わる場合があります。販売期間を長く取る案と、条件を早く確定する案でも価格の意味が違います。
想定買主、販売方法、期間、価格変更の条件を確認します。
6. 査定価格と手取りを分ける
査定価格が高くても、売却費用、借入返済、家賃等の精算、契約条件を整理した後の概算が同じとは限りません。
比較する時は、提示価格だけでなく、確認できる範囲の決済時概算を並べます。税額は別に専門家へ確認します。
査定の前提を確認する資料は、売却相談前の資料を7分類で整理する方法で確認できます。
査定比較表
| 確認項目 | A社 | B社 | C社 |
|---|---|---|---|
| 仲介査定・直接買取 | |||
| 価格の基準日 | |||
| 使用した家賃 | |||
| 空室の扱い | |||
| 年間費用の範囲 | |||
| 修繕の前提 | |||
| 想定買主 | |||
| 想定期間 | |||
| 契約条件 | |||
| 決済時概算 |
高い査定を受けた時の確認
高い査定を否定する必要はありません。ただし、その金額で売り出す根拠、想定期間、価格を見直す条件、実施する販売活動を確認します。
査定を依頼した会社へ売却する義務はありません。説明と条件を持ち帰り、同じ項目で比較してください。
まとめ
収益物件の査定価格が違う時は、仲介か直接買取か、使用した家賃、費用、修繕、買主、期間、契約条件をそろえます。価格の高さだけではなく、根拠と決済時概算を確認してください。
当社では、他社の査定を否定することを目的とせず、前提条件を整理して比較するところからご相談を承ります。

