訪問販売で何かを買ったとき、八日以内なら契約をやめられる。クーリング・オフという制度です。ご存じの方は多いと思います。
不動産を売る契約には、これがありません。
国民生活センターが注意を呼びかけています

国民生活センターが、高齢の方のご自宅の売却について注意喚起を出しています。表題に、こうあります。
「自宅の売却契約はクーリング・オフできません」
実際に寄せられた相談として、こういうものが挙げられています。一人暮らしの自宅に不動産業者が二人で訪ねてきて、とにかく売れ売れと夜まで居座られた。安い金額で売ってしまった。売ったあとで修繕の費用を請求された。
クーリング・オフの制度が不動産にまったく無いわけではありません。ただし、それは宅地建物取引業者が売主で、個人が買う場合の制度です。個人が売って、業者が買う場合には当たりません。
つまり、契約したら戻せません
買取は、話が早いのが利点です。買主を探す期間がなく、条件が先に決まります。片付けも要りません。
その早さは、裏返すと引き返す場所がないということでもあります。
だから、急かされたら、いったん止まってください。
止まるときに使える言い方

その場で断りにくいときは、こう言ってみてください。
- 「家族と話してから決めます」
- 「書面でいただけますか。持ち帰って読みます」
- 「他の会社にも聞いてみます」
- 「今日は決めません」
まともな会社なら、これで引きます。本当に買いたいと思っている物件なら、数日待ったくらいで話は消えません。
当社の場合
当社も、買主になることがあります。その場合は、当社が買主です。
そのうえで、こうしています。
- その場で決めていただく必要はありません
- 金額は書面でお出しします。どういう引き算でその額になったかも、あわせてご説明します
- 他社の査定と並べて見ていただいて構いません
- お断りいただいても、そのあと連絡はしません
何度でも、大丈夫です。同じことを三度聞かれても、四度目も同じようにお答えします。不動産を売るのは、多くの方にとって一生に一度か二度です。分からなくて、当たり前です。
ご家族の方へ
もし、離れて暮らすご両親のところに不動産会社が来ている、という話を聞かれたら。
「契約書に判を押す前に、一度連絡して」とだけ伝えておいてください。押す前なら、まだ何とでもなります。押したあとは、戻せません。
まとめ
- 不動産を売る契約に、クーリング・オフはありません
- 国民生活センターが、高齢の方に向けて注意を呼びかけています
- 急かされたら、止まってよい。家族と話す、書面をもらう、他社にも聞く
- 数日待ったくらいで消える話なら、もともとその程度の話です
- 判を押す前なら、まだ戻れます

