「親名義の家や土地について、子どもの自分が先に相談してもいいのだろうか」というご相談は少なくありません。所有者ご本人がお元気で、まだ話が家族の中で整理できていない段階でも、相談自体は可能です。ただし、相談と、売買契約や名義変更などの「処分」は別のものだと最初に整理しておくと、後で混乱しにくくなります。
相談者様(お子様など)だけで契約や査定依頼の決定はできません。最終的な意思確認は、ご本人(所有者様)が行います。

最初に結論:相談と契約は別ものとして進める
- 一般的な進め方や制度の説明までは、相談者様だけでも受けられる
- 具体的な査定額の提示や契約は、所有者様ご本人の意思確認が前提になる
- 所有者様がまだご存知でない場合は、まず一般的な情報を持ち帰り、家族で話す時間を作る
- 所有者様の判断能力に不安がある場合は、通常の売却とは別の手続が必要になることがある
- 迷ったら、契約の話を急がず、確認したいことを先に整理する
相談できることと、できないことを分ける
「相談してもいいか分からない」という段階でも、一般的な進め方、費用の目安、選択肢の整理といった説明はお受けできます。一方で、具体的な物件を対象にした正式な査定額の提示や、売却・賃貸の契約は、所有者様ご本人のご了承が前提になります。この線引きを最初に共有しておくことで、「話を進めたつもりが、後で本人の同意が取れていなかった」という食い違いを避けられます。
所有者様がまだご存知でない場合
ご家族の中には、「先に不動産会社の話を聞いてから、本人に切り出したい」というご事情もあると思います。その場合は、一般的な進め方の資料をお持ち帰りいただき、ご家族での話し合いを経てから、あらためてご相談いただく進め方をご案内しています。所有者様の意思を飛び越えて話を進めることのないよう、当社としても段階を分けています。

所有者様の判断能力に不安がある場合
加齢や病気などにより、所有者様ご本人の判断能力に不安がある場合、通常の売却手続とは別に、成年後見制度などの手続が必要になることがあります。特に、所有者様が実際に住んでいる(または住んでいた)住居を売却する場合は、家庭裁判所の許可が必要になる場合があります。制度の詳細や個別の該当可否は、国土交通省の宅地建物取引に関する案内、および裁判所の後見制度・居住用不動産処分の許可に関する案内ページをご確認のうえ、司法書士や弁護士など専門家にご相談ください。当社は制度の一般的なご案内と専門家への接続までを行い、個別の法的判断は行いません。
査定額の考え方を先に知っておく
相談の初期段階では、「査定額がいくらになりそうか」という目安を知りたいお気持ちもあると思います。ただし、査定書の中には、実際の成約実績ではなく売り出し価格を基にしたものや、依頼を得るために高めに算出されたものもあります。査定額の考え方や、査定額と実際に手元に残る金額(手取り額)の違いについては、査定額の違いに関する解説記事もあわせてご覧ください。
相談前に整理しておくと役立つこと
- 物件の所在地、種類(戸建て・マンション・土地など)
- 所有者様ご本人の現在のご意向(分かる範囲で)
- ご家族の中で、この件についてどこまで話が進んでいるか
- ご本人の判断能力について、不安の有無
- 相談されているのが、ご本人以外のどなたか(ご関係)
すべてが分かっていなくても構いません。分からない項目があること自体が、次に何を確認すべきかの手がかりになります。相続が発生した後の実家・空き家について整理したい場合は、相続した実家・空き家を売るか決めていないときに確認することもあわせてご参照ください。
よくある質問
親に内緒で査定だけ頼むことはできますか?
一般的な進め方のご説明までは可能ですが、具体的な物件を対象にした正式な査定額の提示は、所有者様ご本人のご了承をいただいてから行うようにしています。
親はまだ元気ですが、将来のために今から相談してもいいですか?
もちろんご相談いただけます。ただし、契約や売却に関わる内容は、最終的にご本人様の意思確認が前提になる点はあらかじめご了承ください。
親の判断能力に不安があります。どうすればいいですか?
通常の売却手続とは別に、成年後見制度などの手続が必要になる場合があります。当社では一般的なご案内と、司法書士・弁護士など専門家への接続をご案内しています。
まとめ
親名義など、相談者様ご本人以外の名義の不動産について相談する場合は、まず「相談」と「契約」を分けて考えることが大切です。所有者様がまだご存知でない場合は、一般的な情報を持ち帰って家族で話し合う時間を作ること、判断能力に不安がある場合は成年後見制度など別の手続が必要になり得ることを、早めに確認しておくと、後の手続きがスムーズになります。

