「空き家にしておくと、固定資産税が6倍になる」
よく聞く話です。ただ、これは半分だけ本当です。
空き家にしただけでは、上がりません。
変わるのは、市町村から「勧告」を受けたときです。

なぜ、住宅が建っている土地は軽いのか
固定資産税には、住宅用地の特例という仕組みがあります。
住宅が建っている土地は、課税の基になる額が軽くなります。
住まいにかかる負担を抑えるための仕組みです。
これは、その土地に住宅があることが前提です。
だから、更地にすると、この軽減がかかりません。
同じ広さ、同じ場所でも、上に何があるかで扱いが変わります。
「6倍」という言い方は、この軽減が外れたときの大きさを指しています。
ただし、実際にいくらになるかは、土地の広さと評価によって変わります。市町村と税理士にご確認ください。
では、いつ外れるのか
ここが、この記事でお伝えしたいところです。
空き家のまま置いてあるだけでは、外れません。
外れるのは、市町村から「勧告」を受けたときです。
そして勧告の前には、助言・指導という段階があります。
いきなり勧告が来るわけではありません。
手前の段階なら、まだ打てる手があります。
令和5年12月に、勧告の対象が広がりました
これまで、勧告の対象は「特定空家等」でした。
そのまま放置すると倒壊のおそれがある、衛生上著しく有害、といった状態のものです。
令和5年12月13日に施行された法改正で、「管理不全空家等」が加わりました。
管理不全空家等とは、そのまま放置すれば特定空家等になるおそれがある状態のものです。
つまり、特定空家等になる手前の段階です。
この管理不全空家等として勧告を受けた場合も、住宅用地の特例が外れます。
これまでよりも、手前の段階で対象になるようになった、ということです。

だから、通知が来ていない段階が大事です
市町村から何も来ていない。
それなら、まだどの段階でもありません。
その段階の方にこそ、知っておいていただきたい内容です。
先に知っておくと、通知が来たときに慌てずに済みます。
よくある間違い 先に解体してしまう
「税金が上がる前に、解体しよう」
これが、実際にとても多い誤りです。
解体して更地にすると、住宅用地の特例は外れます。
住宅がなくなるからです。
つまり、勧告を受ける前に自分から解体すると、自分で軽減を外すことになります。
もちろん、解体したほうがいい場合もあります。売る相手や、建物の状態によって変わります。
ただ、「税金が上がるから」という理由だけで解体を決めるのは、順番が違います。
そして、解体は戻せません。古い家を使いたい買主は、たしかにいます。
家ごと売る場合と、解体して土地として売る場合。両方の見込みを並べてご説明します。
今日からできること
- 市町村から通知が来ていないか確かめる 来ていれば、どの段階のものかを見ます
- 草木と、建物の状態を見ておく 管理不全と見られやすいのは、外から分かる状態です
- 登記の名義を確かめる 祖父母の名義のままだと、売るにも壊すにも先に手続きが要ります
- 解体を先に決めない 戻せません
ご相談のときにお渡ししているもの
段階ごとの表(助言・指導 → 勧告 → 命令)と、どの段階で特例が外れるのか。
一宮市・名古屋市の窓口と、使える補助制度。
ご相談の場で、この紙をお渡ししています。
売ると決めていなくて構いません。空き家・空き地の売却のページ、または無料査定・ご相談のページからどうぞ。
まとめ
- 空き家にしただけでは、固定資産税は変わらない
- 変わるのは、市町村から「勧告」を受けたとき
- 勧告の前に、助言・指導の段階がある
- 令和5年12月から、「管理不全空家等」への勧告でも特例が外れる
- 先に解体すると、自分で軽減を外すことになる
売ると決めていない段階でのご相談が、ほとんどです。
順番だけ、間違えないように。
※税額そのものは、土地の広さや評価、市町村の運用によって変わります。お住まいの市町村と、税理士にご確認ください。
※記載は2026年9月時点の制度にもとづいています。

