不動産の買取について書かれたページを読んでいると、こういう一文をよく見かけます。
「業者に買い取ってもらえば、契約不適合責任は免責になります」
これは、正確ではありません。大筋では合っているのですが、抜けているところがあります。そして、抜けているところのほうが大事です。
まず、免責になる部分の話

契約不適合責任というのは、売ったあとで「話と違う」となったときに、売主が負う責任のことです。以前は瑕疵担保責任と呼ばれていました。
売主が個人で、買主が不動産会社の場合、この責任を負わないという特約を結ぶのが通例です。この特約は有効です。プロが物件の状態を見て買うから、という考え方です。
宅地建物取引業法40条に、契約不適合責任の特約を制限する規定があります。ただしこれは「宅地建物取引業者が自ら売主となる」場合の規定です。買取では会社は買主の側なので、この条文は当たりません。
免責にならない部分があります
ここからが、書かれていないところです。
民法572条にこうあります。免責の特約をしていても、知りながら告げなかった事実については、責任を免れることができない。
つまり、こういうことです。
- 何年か前から雨漏りしているのを知っていた
- 近隣との間に、続いている話があるのを知っていた
- その部屋で過去に何かあったのを知っていた
- 地中に何かを埋めたのを、自分で知っていた
これらを知っていて、伝えなかった場合は、免責の特約があっても責任が残ります。
だから、先に言っていただいたほうが楽です

当社が買主になる場合も、同じです。
知らなかったことは、こちらの責任です。掘ってみたら基礎が出てきた、開けてみたら傷んでいた。それは買う側が見立てを誤ったということなので、売主さまに戻すことはしません。
知っていることは、教えてください。それだけです。
言いにくいことほど、先にうかがっておきたいと思っています。あとから出てくると、お互いに面倒なことになります。先に分かっていれば、そのぶんを織り込んで金額を出すだけです。
「免責です」とだけ書いてあるページを見たら
その会社が悪いという話ではありません。書き方の問題です。
ただ、売主さまの側からすると、「何を伝えておけばよいのか」が分からないまま契約することになります。それが、あとから揉める入口になります。
買取の相談をされるときは、「知っていることは伝えたほうがいいですか」と一度聞いてみてください。そこでどう答えるかで、だいたい分かります。
まとめ
- 業者買取で契約不適合責任が免責になるのは、そのとおり
- ただし民法572条で、知りながら伝えなかったことは免責にならない
- 宅建業法40条は、業者が売主のときの規定。買取では当たらない
- 知らなかったことは買う側の責任。知っていることは、先に伝える
- 先に伝えたほうが、結果としてお互いに楽になります
※このページは一般的な説明です。個別の判断は、物件と契約の内容によって変わります。

