相続した土地が、兄弟の共有になっている。
よくあるご相談です。
売ることはできます。ただ、順番があります。

まず、登記がどうなっているかを見ます
「兄弟で分けた」とおっしゃっていても、登記の状態はいくつかに分かれます。
- 共有の登記になっている 持分が登記されている状態。誰が何分の何か、書いてあります
- 親の名義のまま 遺産分割の話はしたが、登記をしていない
- 祖父母の名義のまま 一代飛ばしになっている。相続人が枝分かれして増えていることがあります
- 土地は兄、建物は弟 といった分かれ方をしていることもあります
この四つは、進め方がまったく違います。
ご自身の記憶ではなく、登記の記録で確かめてください。当社で取得して、ご説明することもできます。
売るには、共有者全員の同意が要ります
共有になっている土地を丸ごと売るには、共有者全員の同意が必要です。
持分だけを売ることは、法律上はできます。
ただ、持分だけを買う相手は限られますし、残った方にとって、見知らぬ相手と共有になるのは負担です。
当社は、持分だけを買い取る形のご提案はしていません。
いきなり全員に声をかけない
ここが、つまずきやすいところです。
「売ろうと思う」と全員に投げると、こうなりがちです。
- いくらになるか分からないまま、賛成か反対かを聞かれる
- 一人が「もっと高い値がつくはずだ」と言い出す
- 一人が「思い出があるから」と反対する
- 話が止まったまま、何年も経つ
金額も、かかる費用も、手元にいくら残るかも分からないうちに、賛成か反対かは決められません。
材料がないまま聞かれると、人は反対します。

だから、材料を先に作ります
当社が先にお出しするのは、次のものです。
- いくらで売れそうか(仲介した場合と、当社が買った場合の両方)
- かかる費用(解体、測量、仲介手数料など)
- 手元にいくら残りそうか
- それを人数で割ると、一人あたりいくらか
- どれくらいの期間がかかりそうか
当社が買い取る場合は、当社が買主です。買主を探して仲立ちする仲介とは、立場が異なります。両方の見込みを並べてお出しします。
この紙が一枚あると、話がまったく変わります。
賛成か反対かではなく、数字を見ながらの話になるからです。
金額は物件ごとに異なります。現地を見ずに価格を申し上げることはいたしません。
ご相談は、お一人からで構いません
全員そろってからでないと相談できない、ということはありません。
ただ、共有者の皆さまおそろいでお越しいただくと、お互いにスムーズです。同じ席で同じ資料を見るので、「兄が聞いた話」と「私が聞いた話」が食い違うことがありません。
おそろいが難しいときは、お一人で来ていただき、材料を持ち帰って、ご兄弟に話していただく形でも進められます。
ご希望があれば、当社が説明の場に同席することもできます。
身内どうしだと言いにくいことも、第三者が数字で説明すると通ることがあります。
連絡が取れない方がいる場合
共有者の中に、長く連絡を取っていない方がいることがあります。
この場合も、方法はあります。
登記の記録から住所を追う、戸籍をたどる、といった手順です。司法書士と連携して進めます。
時間がかかることが多いので、売ると決める前に、いまの状態を確かめておくと、あとの話が早く進みます。
名義がそのままなら、そこが先です
親や祖父母の名義のままなら、先に相続登記が要ります。
相続登記は令和6年(2024年)4月1日から義務になりました。
- 不動産を相続で取得したことを知った日から3年以内の申請が必要
- 施行日より前に相続したものも対象。その場合の期限は令和9年3月31日まで
- 正当な理由なく申請を怠ると、10万円以下の過料の対象になります
当社は司法書士と連携して進めます。
税の話は、税理士と
共有の不動産を売ったときの税の扱いは、持分や、住んでいたかどうか、相続からの年数などで変わります。
ここは税理士の領域です。当社から断定的なことは申し上げません。
必要に応じて、税理士をご紹介します。
まとめ
- まず、登記がどうなっているかを記録で確かめる
- 丸ごと売るには、共有者全員の同意が要る
- いきなり全員に声をかけると、材料がないまま反対される
- 金額・費用・手取り・一人あたり・期間。この材料を先に作る
- ご相談は、お一人からで構いません。共有者の皆さまおそろいでお越しいただくと、お互いにスムーズです
私どもの経験では、売ると決めていない段階でのご相談が少なくありません。
順番だけ、間違えないように。

