相続した分譲マンションの一室を売却する場合、アパート一棟の売却とは異なる注意点があります。管理費・修繕積立金の滞納がないかの確認、管理組合への連絡、そして賃貸中であれば入居者との契約関係の整理が、スムーズな売却の鍵になります。

管理費・修繕積立金の滞納を確認する
区分所有のマンションでは、毎月の管理費・修繕積立金の支払い義務があります。相続前の所有者(親等)が滞納していた場合、その債務も相続の対象になるため、まずは管理会社・管理組合に滞納の有無を確認します。
管理組合への連絡
所有者が変わる(相続する)際は、管理組合への届け出が必要です。総会資料の送付先変更、駐車場・駐輪場の契約名義変更なども合わせて確認しておくとよいでしょう。
賃貸中の場合の扱い
相続した部屋がすでに賃貸に出されている場合、入居者がいる収益物件の売却と同様の考え方が当てはまります。賃貸借契約、敷金の預かり状況、管理会社との契約を整理した上で、入居者がいる状態のまま売却するか、空室になってから売却するかを検討します。
マンション一室ならではの査定ポイント
一棟アパートと異なり、区分所有マンションの査定では、専有部分の状態に加えて、建物全体の管理状態(修繕積立金の積立状況、大規模修繕計画、管理組合の運営状況)も評価に影響します。これらの情報は管理組合の総会資料や重要事項調査報告書で確認できます。
相続登記と売却の順序
相続登記が完了していない場合、まず相続登記を済ませてから売却手続きに進む必要があります。2024年4月1日から相続登記が義務化されており、不動産を相続で取得したことを知った日から3年以内の申請が必要です(2024年4月1日より前に発生した相続も対象で、経過措置により2027年3月31日までの申請が必要です)。正当な理由なく申請を怠ると10万円以下の過料の対象となる場合がありますが、相続人が多数で調整に時間がかかる場合など、正当な理由が認められるケースもあります。具体的な期限や手続きは司法書士にご確認ください。
制度の確認先:法務省「相続登記の申請義務化に関するQ&A」(公開直前にも現行情報をご確認ください)

