10月3日の朝のニュースで、マンションの「ワニの口」が取り上げられました。売り出している価格と、実際に決まった価格の差が広がり、売れ残りが増えている、という話です。
東京の話として報じられましたが、売主さまにとって大事なのは、「売り出し価格」と「決まる価格」は別のもの、ということです。これは愛知でも同じです。
「ワニの口」とは
グラフに、売り出している価格と、実際に売買が決まった価格の2本の線を引きます。2本の線が上下に離れていく形が、口を開けたワニに見えることから、こう呼ばれています。
口が開くのは、売る側の「この値段で売りたい」と、買う側の「この値段なら買える」がずれているときです。
東京では、口が大きく開いている
東日本不動産流通機構の2026年8月のデータを整理した記事によると、東京都心3区の中古マンションは、売り出し価格が、決まった価格を3割ほど上回っています。東京都全体の在庫は、前の年より2割ほど増えました。決まった件数は、どの地域でも前の年より1割以上減っています。
売り出しても決まらない物件が積み上がっている。ニュースが伝えたのは、この状態です。
この10年、東京と愛知では上がり方がまったく違う
東京カンテイが毎年まとめている中古マンションの価格(70㎡に換算した年間の平均)で、2016年を100として2025年を比べると、こうなります。
| 地域 | 2016年 | 2025年 | この10年の上がり方 |
|---|---|---|---|
| 東京23区 | 100 | 198 | 約2倍 |
| 東京都 | 100 | 186 | 約1.9倍 |
| 名古屋市 | 100 | 141 | 約1.4倍 |
| 愛知県 | 100 | 140 | 約1.4倍 |
東京23区はこの10年でほぼ2倍。名古屋市と愛知県は4割ほどの上昇です。
しかも東京は、2025年の1年だけで3割ほど上がっています。愛知は、上がる年もあれば少し下がる年もありながら、ゆっくり上がってきました(2024年は前の年より少し下がっています)。
値段が急に上がると、買う人の財布が追いつきにくくなります。東京で「売り出しても決まらない」が増えているのは、この急な上がり方と無関係ではないと、当社は見ています。
愛知は、東京と同じではない
足元の数字も見てみます。中部圏不動産流通機構の2026年8月の速報では、愛知県の中古マンションは、決まった件数が前の年より約5%増え、在庫は約1%減っています。東京のように、売れ残りが急に増えている状態ではありません。
ただ、新しく売り出された物件の1㎡あたりの価格は、決まった物件の1㎡あたりの価格より2割近く上です(物件が違うので、目安としての比較です)。売り出しの値段がそのまま決まるわけではないのは、愛知でも同じです。
また、愛知県の中古の一戸建ては、決まった価格が前の年より4%ほど下がっています。マンションと一戸建て、地域、駅からの距離。同じ愛知でも、動き方はそれぞれ違います。
売主さまが気をつけたいこと
口が開いているときに起こりやすいのは、こういう流れです。
- 何社かの査定のうち、上の方の数字で売り出す
- 問い合わせが少なく、何か月も決まらない
- 少しずつ値下げを重ねる
- 「ずっと売れ残っている物件」と見られ、さらに決まりにくくなる
査定書の数字は、「この値段で売り出せます」という意味のことがあります。「この値段で決まります」という意味とは限りません。査定書を受け取ったら、その数字が売り出しの値段なのか、決まる見込みの値段なのかを、担当者に聞いてみてください。
当社は、金額の前に「誰が買うか」を調べます
当社は売主さま専門です。金額をお伝えする前に、その不動産を買うのがどこの誰になるかを調べます。
マンションなら、同じ建物や近くで、実際にいくらで決まっているか。土地なら、家を建てて売る会社なのか、お隣の方なのか、事業に使う会社なのか。買う人が決まると、決まる値段の幅も見えてきます。
そのうえで、売り出しの値段をどう置くかを、売主さまと一緒に決めます。急いで決める必要はありません。
査定は無料です。査定書の数字の読み方だけのご相談でもかまいません。
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出典:東京カンテイ「中古マンション70㎡価格推移」2025年 年間版(2016年=100として当社で換算)、中部圏不動産流通機構「月例速報 マーケットウォッチ 2026年8月度」、東日本不動産流通機構の2026年8月のデータ(ダイヤモンド不動産研究所の記事による整理)、テレビ朝日系(ANN)2026年10月3日の報道。数字は各機関の公表値で、物件ごとの価格を示すものではありません。
株式会社IR不動産コンサルティング(宅地建物取引業 愛知県知事(2)第23786号)。取引態様:媒介(仲介)。当社が買主となる場合は、その旨を先にお伝えします。登記・税・法律の判断は、司法書士・税理士・弁護士と一緒に確かめます。
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