「いろいろ当たりましたが、これが限界です」。
相続した実家のことで、そう言われた方がいました。手元に残る金額を聞いて、その晩から眠れなくなったそうです。
結論から書きます。紹介された不動産会社に決める前に、もう一社の意見を聞いてください。それは、紹介してくださった方への失礼ではありません。
1. 相続のとき、紹介はとても自然に続きます
親御さんが亡くなると、葬儀の会社から相続登記の話が出て、司法書士の先生を紹介される。その先生から「家を売るなら」と、不動産会社を紹介される。よくある流れです。
紹介そのものは、悪いことではありません。忙しく、気持ちも落ち着かない時期に、窓口が決まるのは助かります。ただ、紹介された会社が、その土地に合う買い手まで当たっているとは限りません。
2. 書面を交わした覚えがないのに、話が進んでいた
冒頭の方は、尾張北部の町にご実家がありました。紹介された会社が二人で訪ねてきて、「いろいろ当たって、入札もしました。これが限界です」と言われたそうです。
そこから解体の費用、測量の費用、仲介の手数料を引くと、手元にはわずかしか残らない。しかも、売却を頼む契約の書面を交わした覚えはなかった、とのことでした。
不動産会社に売却を頼むときは、媒介契約を結び、その内容を書いた書面を受け取るのが決まりです(宅地建物取引業法 第34条の2)。書面をまだ受け取っていないのに、話だけが先に進んでいると感じたら、一度立ち止まってください。
3. 「限界」かどうかは、誰に当たったかで変わる
その方は、以前に当社のセミナーで聞いた話を思い出して、連絡をくださいました。
私(近藤)がしたのは、その地域で今、土地を探して動いている買い手の会社の担当者に、直接電話をすることでした。結果は、最初に「限界」と言われた条件を、数百万円上回る条件で、売却が決まりました。
土地の値段は、誰が買うかで変わります。同じ土地でも、その町で家を建てたい会社と、そうでない会社とでは、出せる条件が違います。だから当社は、金額をお伝えする前に、買うのがどこの誰になるかを調べます。
※個別の一例です。同じ結果をお約束するものではありません。
4. 決める前に、確かめる3つのこと
- 契約の書面はあるか。媒介契約の書面を受け取っているか。どの種類の契約か(専属専任・専任・一般)。
- その金額は、誰の金額か。どんな種類の買い手に、何社くらい当たった結果なのか。
- 手元に残る金額を、書面で。解体・測量・手数料などを引いたあと、いくら残るのかを紙でもらう。
この3つを聞いて、はっきりした答えが返ってこなければ、もう一社の意見を聞く価値があります。ほかで受け取った査定書を見せていただく相談も承っています。
5. 紹介してくださった方への気兼ねについて
「紹介してもらったのに、断ったら悪い」。そう感じる方は多いです。でも、売るのはあなたの大切な家と土地です。納得してから決めることを、紹介してくださった方も望んでいるはずです。
相続登記など手続きの順番は、相続した不動産の売却のページにまとめています。会社を選ぶときに聞く質問は会社を比べるときに聞く7つの質問、ご相談から引渡しまでの流れは売却までの流れをご覧ください。
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株式会社IR不動産コンサルティング/代表 近藤善伸(宅地建物取引士)/宅地建物取引業 愛知県知事(2)第23786号

