• 生産緑地の売却・解除のご相談|一宮市・名古屋市
一宮市・名古屋市の生産緑地

生産緑地の売却・解除、何から始めればいいか一緒に整理します。

30年を迎えた、親が亡くなった、相続税の猶予が気になる。生産緑地は、売る前の手続きと税金の確認が大切です。宅建士が、市の手続きの流れと売り方を、順番にご説明します。

一宮・名古屋の生産緑地の今

一宮市

805団地・90.3ha

2025年12月26日の都市計画決定

名古屋市

1,447団地・178.5ha

2025年12月15日の都市計画変更

どちらの市も、2017年と比べて面積が約3割減っています。ただしこれは生産緑地の指定が外れた広さで、売れた広さや、宅地になった広さではありません(公共の用地になった所や、新しく指定された所も含みます)。

一宮市では、2022年に特定生産緑地へ移らなかった約300筆のうち、238筆が2025年10月31日までに買取申出を済ませたと、市の都市計画審議会で説明されています。申出をした筆の数で、売れた筆の数ではありません。

出典:一宮市「生産緑地地区」(一宮市の都市計画のページ)/名古屋市 都市計画審議会 2025年 説明資料(名古屋市のPDF)/一宮市 2025年度 都市計画審議会 議事録(一宮市のPDF)。確認日:2026年11月3日。

尾張の市町の生産緑地の広さ

国の調べ(都市計画現況調査・2025年3月31日現在)で、尾張の市町の生産緑地をならべました。一宮市と名古屋市のほかにも、小牧市・春日井市・津島市などに、まとまった生産緑地があります。

市町広さ地区の数
名古屋市183.7ha1,483
一宮市93ha825
小牧市36.6ha253
春日井市23.6ha224
津島市20.9ha189
北名古屋市16.9ha176
犬山市15.4ha131
清須市11ha135
あま市9ha90
稲沢市8.6ha68
江南市7.3ha91
岩倉市6.8ha76
大口町0.9ha6

扶桑町は、国の表に生産緑地の数字が載っていません(ないと決まったわけではありません)。名古屋市・一宮市は、上の「生産緑地の今」の数字(2025年12月の決定)の方が新しい数字です。この表は、ほかの市町と同じ日でくらべるための数字です。

出典:国土交通省「都市計画現況調査」(令和7年3月31日現在・愛知県の市町村別の表)。確認日:2026年11月4日。

30年をむかえる年と、市の受付

生産緑地は、指定された年によって、30年をむかえる年がちがいます。特定生産緑地にするかどうかの手続きは、30年を過ぎる前に終える必要があり、期限を過ぎると、あとから特定生産緑地を選ぶことはできません。

名古屋市:2026年1月19日〜3月31日の特定生産緑地の受付は、1996年・1997年に指定された生産緑地が対象でした。1996年に指定されたものは、この回が最終の受付です。書類は所在の区の窓口へ持参で、郵送では受け付けていません。次の受付は2027年1月中旬〜3月下旬(予定)で、1997年・1998年に指定されたものが対象です(市のページ 2025年12月15日更新)。

特定生産緑地にしなかった土地は、30年を過ぎると、いつでも市に買取申出ができる状態になります。申出の相談先は、名古屋市 緑政土木局 都市農業課(052-972-2469)です(市のページ 2026年1月27日更新)。

一宮市:特定生産緑地にするには、指定から30年を過ぎる前に、所有者・借りている人・抵当権を持つ金融機関などの同意をそろえて、市に出す必要があります。窓口は一宮市 農業振興課 農政グループ(0586-28-9135)です(市のページ 2023年2月15日更新)。今年どの指定年が対象かは、このページには書かれていないため、市に要確認です。

尾張のほかの市町:指定の年や受付の時期は、市町ごとにちがいます。お持ちの土地が何年に指定されたかは、市町の都市計画や農政の担当で確かめられます。地番がわかれば、当社が調べるところから始めます。

出典:名古屋市の特定生産緑地の案内ページ(2025年12月15日更新)、名古屋市「生産緑地地区」(2026年1月27日更新)、一宮市の特定生産緑地の案内ページ(2023年2月15日更新)。確認日:2026年11月4日。

30年たったら、どうなるのか

30年たっても、自動では宅地になりません

生産緑地の指定と、建物を建てられないなどの制限(行為制限)は、30年たっただけでは消えません。農地としての管理も続ける必要があります。

30年を過ぎて特定生産緑地にしなかった場合は、いつでも市に「買取申出」ができる状態になります。一方で、固定資産税などの農地としての軽い扱いは外れ、農地を続ける場合は5年かけて段階的に宅地並みの負担に近づきます。

特定生産緑地に指定した場合は、申出ができる時期が10年先に延びます。売る・持つ・建てるのどれを選ぶかで、向いている手続きが変わります。

買取申出から解除までの流れ

  1. 事前の確認申出ができる理由(30年経過・主な担い手の死亡など)、名義や権利、境界、納税猶予の有無を確かめます。
  2. 市に買取申出市に「時価で買い取ってほしい」と申し出ます。有効な申出の日が、3か月の起点です。
  3. 3か月待つ市などが買うかどうかを検討し、買わない場合は農業を続けたい方へのあっせんがあります。この間に買い手が決まらなければ、次に進みます。
  4. 行為制限の解除申出から3か月以内に所有権の移転(相続などを除く)がなければ、建物を建てられないなどの制限が外れます。
  5. 農地転用の届出・売却宅地などに使うには、農業委員会への農地転用の届出が別に必要です。そのうえで、買い手との売買を進めます。

根拠:生産緑地法10条・14条(e-Gov法令検索)。3か月で売れる・建てられるという意味ではありません。

申出の前に、境界や道路、名義を先に確かめておくと、解除のあとの売却が進めやすくなります。現地と役所の調査は、私が行います。

相続税の納税猶予を受けている方へ

申出の前に、税理士・税務署で確認してください

納税猶予を受けている農地では、売却が決まる前の「買取申出」の時点で、猶予されていた相続税と利子税の納付が必要になることがあります。対象の面積や地域、例外によって扱いが変わります。

いくら納めることになるか、手元にいくら残るかを試算してから、申出の時期を決めるのがおすすめです。税額のご相談は、税理士をご紹介します。

参考:国税庁「農地等についての相続税の納税猶予及び免除等」(タックスアンサーNo.4147)。税の説明は一般的な内容で、個別の税額は税理士・税務署での確認が必要です。

解除のあとの売り方

生産緑地はまとまった広さの土地が多く、買い手は広さや場所で変わります。一宮市の審議会では、解除された土地にアパート・貸倉庫・駐車場・宅地分譲が見られたと説明されています(一部の例で、全体の集計ではありません)。

  • 宅地分譲の会社区画を分けて、家を建てる方へ売る会社
  • ハウスメーカー・工務店建てる土地を探している会社
  • アパートを建てる会社・投資家賃貸住宅の用地として買う方
  • 倉庫・事業用の会社用途地域に合えば、倉庫や駐車場として使う方

どの買い手に合うかで、売る値段も条件も変わります。当社は、その土地を欲しい会社を探して、条件を並べてご説明します。売らずに、アパートなどを建てて持つ方法のご相談もお受けします。

当社が買主となる場合は、その旨を先にお伝えします(宅地建物取引業法34条)。

広い土地・開発向けの土地のご売却はこちら

生産緑地のよくある質問

市に買取申出をすれば、市が買い取ってくれますか

市が買い取るとは限りません。申出のあと、市などが公共の用地として買うかどうかを検討して通知し、買わない場合は農業を続けたい方へのあっせんが行われます。名古屋市は、市が買うケースはほとんどないと案内しています。

特定生産緑地に指定すると、売れる時期は変わりますか

特定生産緑地に指定すると、買取申出ができる時期が10年先に延び、その間は税の扱いも続きます。10年ごとに延ばすかを選べますが、期限を過ぎてから特定生産緑地を選び直すことはできないため、市からの案内の期限を確認してください。

農業をしていた親が亡くなりました。生産緑地を売れますか

農業の主な担い手が亡くなった場合は、30年を待たずに買取申出ができる理由になります。ただし、相続しただけで自動的に制限が外れるわけではなく、主な担い手だったことを示す書類をそろえて、市に申し出る手続きが必要です。

納税猶予を受けている農地を売ると、相続税はどうなりますか

納税猶予を受けている農地は、売却が決まる前の「買取申出」の時点で、猶予されていた相続税と利子税の納付が必要になる場合があります。対象の面積や例外で扱いが変わるため、申出の前に税理士・税務署で、いくら納めることになるかを確認してください。

行為制限が外れたら、すぐに宅地として売れますか

行為制限が外れても、農地を宅地などに変えるには、農業委員会への「農地転用」の届出が別に必要です。買主が家や建物を建てる場合は、開発や建築の決まり、道路への接し方なども個別に確認します。

制度の説明は一般的な内容です(確認日:2026年11月3日)。個別の筆の解除・転用・税額は、市・農業委員会・税務署などでの確認が必要です。

生産緑地のご相談

「まだ売ると決めていない」「申出をするか迷っている」段階でも、ご相談いただけます。地番がわかれば、調べるところから始めます。相談は無料です。